【No6】
建築物の構造方法に関する次の記述のうち、建築基準法に適合するものはどれか。ただし、構造計算による構造耐力上安全であることの確認は行わないものとする。
1.高さ1mで厚さ12cmの石造の塀には、控壁を設けなかった。
2.高さ1mの石造の塀を、芋目地ができるように組積した。
3.平家建てで延べ面積30m2の補強コンクリートブロック造の倉庫において、張間方向及び桁行方向に配置する補強コンクリートブロック造の耐力壁の長さの合計を、張間方向について4m、桁行方向について6mとした。
4.地上2階建てで高さ6mの補強コンクリートブロック造の建築物において、水平力に対する支点間の距離が5mである耐力壁の壁頂に設ける鉄筋コンクリートの臥梁の有効幅を、20cmとした。
5.高さ2mの補強コンクリートブロック造の塀において、鉄筋を入れていない空洞部(継ぎ目には接していない)をモルタル又はコンクリートで埋めなかった。
答えを見る1.令第61条
組積造の塀は、長さ4m以下ごとに所定の控壁を設けなけらばならないが、壁の厚さが、令第61条第二号の規定による壁の厚さの1.5倍以上ある場合においては、この限りではないと規定されている。なお、令第61条第二号において、壁の厚さは、その部分から壁頂までの垂直距離の1/10以上と規定されている。以上より、1m × 1/10 × 1.5倍 = 15cm >12cm のため、控壁を設けなければならない。
2.令第52条第4項
組積材は、芋目地ができないように組積しなければならないと規定されている。(注)組積造の塀は、令第61条の規定以外に令第52条の規定にも適合させる必要がある。
3.令第62条の4第2項
耐力壁の長さのそれぞれの方向についての合計は、その階の床面積1㎡につき、15cm以上としなければならないと規定されている。以上より、30㎡ × 15cm/㎡ = 450cm(4.5m)以上としなければならない。
4.令第62条の5第2項
臥梁の有効幅は、20cm以上で、かつ、耐力壁の水平力に対する支点間の距離の1/20以上としなければならないと規定されている。以上より、20cm以上、かつ、5m × 1/20 = 0.25m(25cm)以上としなければならない。
5.令第62条の6第1項
鉄筋を入れた空洞部及び継目地に接する空洞部には、モルタル又はコンクリートで埋めなければならない。
(注)補強コンクリートブロック造の塀は、令第62条の8の規定以外に令第62条の6の規定にも適合させる必要がある。
【解答】【5】
【No7】
防火・耐火に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、耐火性能検証法、防火区画検証法及び避難上の安全の検証並びに国土交通大臣の認定は行わないものとする。
1.主要構造部を耐火構造とした、自動式のスプリンクラー設備等が設置されていない延べ面積2000m2の事務所の用途に供する建築物において、床面積1500㎡以内ごとに設ける防火区画の壁が接する外壁のうち、防火区画を構成する壁に接する部分を含む幅90cm以内の部分には、防火設備であっても開口部を設けれはならない。
2.主要構造部を木造とした旅館の用途に供する平家建て、延べ面積1500㎡の建築物(耐火建築物又は準耐火建築物ではない)において、1000㎡以内ごとに設ける防火上有効な構造の防火壁は組積造としてはならない。
3.主要構造部を準耐火構造とした地上 2階建ての建築物を床面積200㎡の共同住宅と床面積100㎡の自動車車庫とした場合、それぞれの用途部分を1時間準耐火基準に適合する準耐火構造とした床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなくてもよい。
4.主要構造部を木造とした延べ面積900㎡の建築物と、主要構造部を木造とした延べ面積150m2の建築物とが同一敷地内にある場合には、それらの外壁および軒裏で延焼のおそれのある部分を防火構造とし、それらの屋根の構造を建築基準法第22条第1項に規定する構造としなければならない。
5.主要構造部を耐火構造とした地上5階建ての建築物で、各階に居室を有するものにおいて、階段の部分とその他の部分とを区画する防火設備は、常時閉鎖又は作動をした状態にあるものを除き、火炎により煙が発生した場合に自動的に閉鎖又は作動をするものとしなければならない。
答えを見る1.令第112条第1項、第10項、第11項
当該部分は、法2条第九号の二ロに規定する防火設備であれば開口部を設けることができる。よって誤り。
2.法第26条、令第113条第1項第二号
3.法第27条、法別表第一、令第112条第12項
4.法第2条第六号、法第25条
5、令第112条第9項、第13項二号
【解答】【1】
【No8】
避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、居室については、「建築基準法施行令第116条の2に規定する窓その他の開口部を有しない居室」には該当しないものとする。また、避難階が地上1階とし、「避難上の安全の検証」は行われていないものとする。
1.主要構造部を耐火構造とした地上10階建てのホテルの10階の客室(居室)で、当該客室及びこれから地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料としたものについては、当該居室の各部分から地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離は、60m以下としなければならない。
2.地上3階建て、延べ面積1200㎡の高等学校における生徒用の廊下の幅は、両側に居室がある場合は2.3m以上としなければならない。
3.地上5階建ての物品販売業を営む店舗(各階の床面積が300㎡)で、各階を当該用途に供するものの屋内に設ける避難階段については、階段室に設ける所定の開口部、窓又は出入口の部分を除き、耐火構造の壁で囲まなければならない。
4.地上3階建ての病院の病室には、非常用の照明装置を設けなくてもよい。
5.地上3階建て、延べ面積1000㎡の物品販売業を営む店舗で、各階を当該用途に供するものにあっては、各階の売場及び屋上広場に通ずる 2以上の直通階段を設け、これを避難階段又は特別避難階段としなければならない。
答えを見る1.令第120条第1項、第2項
2.令第119条
3.令第122条第1項、令第123条第1項第一号
4.令第126条の4第二号
5.令第121条第1項第二号、令第122条第2項
物品販売業を営む店舗は3階建てだが床面積の合計が1000㎡のため、該当しない。1500㎡を超えると該当となる。
【解答】【5】
【No9】
建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1.非常用の照明装置を設けていないことについて、建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けている建築物であって、独立部分(開口部のない耐火構造の床又は壁で区画された部分)が 2以上あるものについて増築をする場合において、当該増築をする独立部分以外の独立部分には、非常用の照明を設けなくてよい。
2.延べ面積500㎡の事務所において、開放できる部分の面積の合計が2㎡の窓(天井から下方80cm以内にあるもの)のある床面積120㎡の事務所には、原則として、排煙設備を設けなければならない。
3.機械換気設備は、換気上有効な給気設備及び排気機を有する構造としなければならない。
4.地階を除く階数が11以上である建築物の屋上に設ける冷房のための冷却塔設備は、防火上支障がないものして国土交通大臣が定めた構造方法を用いる場合においては、主要な部分を不燃材料以外の材料で造ることができる。
5.共同住宅の住戸にあっては、準耐火構造の床もしくは壁又は建築基準法第2条九号のニロに規定する防火設備で床面積200㎡以内ごとに区画されている場合、窓のその他の開口部で解放できる部分の面積にかかわらず、排煙設備を設けなくてもよい。
答えを見る1.法第35条、法第86条の7第2項、令第126条の4、令第137条の13、令第137条の14第二号
2.令116条の2第1項第二号、令第126条の2第1項
2㎡ / 120㎡ = 1/60 < 1/50 3.令129条の2の6第2項第一号 4.令第129条の2の7第一号 5.令第126条の2第1項第一号 【解答】【3】
【No10】
都市計画区域又は準都市計画区域内の道路等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
1.私道の変更によって、その道路に接する敷地が建築基準法第43条第1項の規定に抵触することとなる場合において、特定行政庁がその私道の変更を禁止しようとするときは、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置等を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見等を提出する機会を与えなければならない。
2.土地を建築物の敷地として利用するため、道路等によらないで道を築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受ける場合、道の一端のみが他の道路に接続し、幅員が4mで延長が35mを超える場合であっても、終端が自動車の転回に支障がない公園に接続する場合には、区画35m以内ごとに国土交通大臣の定める基準に適合する自動車の転回広場を設けなくても袋路状道路とすることができる。
3.土地を建築物の敷地として利用するため、道路法等によらないで道を築造しようとする者が特定行政庁からのその位置の指定を受ける場合の政令で定める道に関する基準について、地方公共団体は、その地方の気候等により必要と定めて、条例で、区域を限り、当該基準と異なる基準を定めることができ、当該基準を緩和する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。
4.都市計画区域に編入された際、現に建築物が立ち並んでいる幅員2.7mの道を、建築基準法上の道路とみなすものとして特定行政庁が指定する場合、土地の現状に因りやむを得ない場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得て、当該道路の境界線とみなす線の「道路の中心線からの水平距離」を別に指定することができる。
5.地方公共団体は、共同住宅の敷地が道路に接する部分の長さについて、避難等の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、必要な制限を付加することができる。
答えを見る1.法第9条第2項、法第45条第1項、第2項
2.法第42条第1項第五号、令第144条の4第1項一号ロ
3.法第42条第1項五号、令第144条の4第2項、第3項
令144条の4第1項各号の基準を緩和する場合は、あらかじめ、国土交通大臣の承認を得なければならない。
4.法第42条第3項、第6項
5.法第2条第二号、法第43条第3項第一号
【解答】 【3】
【No11】
(イ)欄に掲げる用途地域内において、(ロ)欄に掲げる建築物を新築しようとする場合、建築基準法第48条の規定により、特定行政庁の許可を受けなければ建築することができないものは、次のうちどれか。ただし、いずれの建築物も各階を当該用途に供するものとする。
1.(イ)第一種低層住居専用地域
(ロ)地上2階建ての老人福祉センターで床面積の合計が600㎡のもの
2.(イ)第一種中高層住居専用地域
(ロ)地上2階建ての自動車車庫で床面積の合計が300㎡のもの
3.(イ)第二種中高層住居専用地域
(ロ)地上 2階建ての事務所で床面積の合計が1500㎡のもの
4.(イ)田園住居地域
(ロ)地上3階建ての日用品の販売を主たる目的とする店舗で床面積の合計が150㎡のもの
5.(イ)工業地域
(ロ)地上30階建ての共同住宅で床面積の合計が15000㎡のもの
1.法別表第二(い)欄第九号、令第130条の4第二号
2.法別表第二(は)欄第六号
3.法別表第二(に)欄各号
4.法別表第二(ち)欄第五号、令130条の5の2第一号
3階以上の部分を日用品の販売を主たる目的とする店舗の用途に供するものは許可を受けなければ建築することができない。
5.法別表第二(を)欄各号
【解答】【4】
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