『成瀬は信じた道をいく』は2024年本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』の続編です。
前回に引き続き、滋賀県大津市膳所が舞台の”成瀬あかり”を取り巻く物語です。
『成瀬は信じた道をいく』を読んでいると、九州で育った僕にはわからない関西や滋賀県の”ローカルネタ”や”これってなんだ?”という小ネタが散りばめられています。
「小ネタがわからないモヤモヤを解決したい。」
「もっと成瀬を楽しみたい。」
このような悩みをお持ちの方へ
本記事では『成瀬は信じた道をいく』を”100倍”楽しむための”小ネタの補完情報”を集めました。
小ネタは下記の通りです。
小ネタを知り、より解像度高く『成瀬は信じた道をいく』を読書してみましょう!!
『成瀬は天下を取りにいく』の小ネタ集は下記の記事にまとめています。

■HOPマネー

HOPマネーは、平和堂オリジナルの電子マネーサービスです。
あらかじめ、アプリやカードにお金を入金(チャージ)、支払いがスムーズになるというものですね。
交通系IC”Suica”の平和堂版といったことろでしょうか。
20ページの場面で、成瀬はHOPマネーでおやつ昆布の支払いをスムーズにしています。
支払いに時間をかけない合理的な成瀬の様子が伺えるシーンですね。
成瀬は、おやつ昆布を”虫歯予防”と”脳の活性化”のために好んで食べています。
■2005年 菊花賞
2005年10月23日、菊花賞。
成瀬慶彦が京都競馬場で目撃した衝撃のレースはこちら↓
最後のディープインパクトの追い上げは、鳥肌が立ちます。
■平和堂イメージソング
平和堂イメージソング「かけっことびっこ」。
スーパーで流れている曲って、なんであんなに耳に残るんでしょうね。
僕は呼び込み君が、耳から離れません。
■シーチキンとライトツナ

94ページで呉間言実が万引き犯を目撃し、何を盗られたか成瀬に情報提供します。
言実は”シーチキン”と発しますが、成瀬は「本当にシーチキンか?ライトツナである可能性はないか?」と聞き返します。
”何が違うのか…”簡単に説明します。
シーチキンは、はごろもフーズの”商品名”です。
ツナは、マグロ類を加工した”食品名”です。
”プリウス”なのか”車”なのかという話です。
そして”ライトツナ”の”ライト”の部分ですが、、、ツナ缶には鮪と鰹の両方があります。びんちょう鮪が原料のものが”ホワイトツナ”、それ以外の鮪や鰹を使用したものが”ライトツナ”。
さらに、シーチキンという名称は、鶏肉(チキン)のように白くやわらかく美味しいことから「海のニワトリ(Sea Chicken)」と、わかりやすく印象に残る名称として、はごろもフーズが名付けました。
この明確な違いを知っている成瀬には、シーチキンなのかライトツナなのかが気になってしょうがないのでしょうね。
■瀬をはやみ〜
成瀬のインスタグラムのキャプションの冒頭「瀬をはやみ〜」についてです。
百人一首の句(作者:崇徳院)で、
”瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ” が全句です。
【現代語訳】
川の浅いところの流れが速いので、岩にせき止められた急流が二つに分かれてもまた一つになるように、あなたと今は離れていても、いつかきっと再び逢おうと思います。(赤字の箇所が、瀬をはやみの訳です。)
ちなみに、篠原かれんは「あさぼらけ〜」ですが、こちらも百人一首の一句(作者:坂上是則)です。
”朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪 ” が全句です。
【現代語訳】
夜がほのかに明けるころの、明け方の月かと思うほどに、吉野の里には白雪が降り積もっている。(赤字の箇所が、あさぼらけの訳です。)
膳所高校時代かるた班だった成瀬の経験がインスタにも活かされる素晴らしさと成瀬の独特さがわかる成瀬構文誕生に感動しました。”瀬をはやみ〜成瀬あかりでございます。”〜でございますは、もうサザエさんやん。
■ファインマン物理学

成瀬は金沢駅からの帰りの車内で”ファインマン物理学”を読んでいました。
”ファインマン物理学”は、ユーモラスな物理学者 ファインマンがカリフォルニア工科大学で行っていた人気講義をもとに作られた物理学の教科書で、
・力学 ・光熱波動 ・電磁気学 ・電磁波と物性 ・量子力学 の全5巻あります。
成瀬は一体どの分野を読んでいたのでしょう。
■ケイリー・ハミルトンの定理
成瀬は大学の授業で”ケイリー・ハミルトンの定理”に感銘をうけました。
ケーリー・ハミルトンの定理
正方行列 AA に対して,det(A−λI)det(A−λI) という λλ の多項式の λλ の部分を AA に変えたものはゼロ行列になる。
僕には理解できません。
■ディープインパクトのぬいぐるみ

成瀬慶彦の車のダッシュボードの隅には、ディープインパクトのぬいぐるみが置かれていました。
慶彦のディープインパクト愛が伝わるアイテムです。
■大晦日 けん玉

成瀬が参加したけん玉チャレンジは、2017年第68回NHK紅白歌合戦からはじまった企画です。
演歌歌手・三山ひろしの歌唱中に「大皿」(膝元まで垂れ下がった玉を大皿に乗せる技)を参加者が連続して行う大晦日紅白歌合戦の恒例行事です。
歴代の結果は下記の通り
回 | 年 | 参加人数 | 結果 |
第1回 | 2017年 | 124人 | 失敗 |
第2回 | 2018年 | 124人 | 成功 |
第3回 | 2019年 | 125人 | 失敗 |
第4回 | 2020年 | 125人 | 成功 |
第5回 | 2021年 | 126人 | 成功 |
第6回 | 2022年 | 127人 | 成功 |
第7回 | 2023年 | 128人 | 失敗 |
成瀬は2025年年末の第9回のけん玉チャレンジに、参加人数は130人の1人として滋賀県代表で参加。
成瀬は大皿を成功させますが、チャレンジ全体の結果は言及されていませんでしたね。
2025年末に、NHKが成瀬の世界観で企画をしてくれるのか、その時には、成瀬を演じる俳優さんが決まっていて”大皿”を決めてくれるのか。そんな妄想が膨らんでしまいます。
■聖地巡礼
『成瀬は信じた道をいく』の聖地巡礼地については下の記事にまとめています。

まとめ
『成瀬は信じた道をいく』をより”100倍”楽しむための小ネタの補完情報を下記の通り集めてみました。
”小ネタ”も把握して読書すると、また違った味わいや臨場感を持って作品を楽しむことができます。
本記事が皆さんの読書の補助になれば幸いです。
『成瀬は天下を取りにいく』の小ネタ集は下記の記事にまとめています。

また、『成瀬は信じた道をいく』の登場人物相関図は下の記事でまとめています。

最後までご覧いただきありがとうございました。それでは、またお会いしましょう。